水上ヴィラ(バンガロー、コテージ)があるリゾートとして、タヒチとモルディブで迷われる方も少なくないようです。
どう楽しめるのか?特徴の違いは?
できる事とできない事、楽しみ方や特徴の違いを比較してみたいと思います。
<タヒチ>
ホテルがある島の中で一番小さいのが、タヒチで一番人気のボラボラ島。
一番小さくても島全体の周囲は40キロ程度あり、聖なる山との伝説があるオテマヌ山のある本島と、環礁を囲む小島(モツ)との間は、全て何層ものブルーラグーンが広がる世界的にも珍しい地形のタヒチを代表する美しい島です。
ボラボラ島は、リーフがダブル(2重)になっていて、パス(サンゴ礁の切れ目、ラグーンと外洋の海水が行き来する場所)も1か所しか無いので、外洋の波や潮の満ち引きの影響が極めて少ないため、穏やかなラグーンが広がり水上ヴィラ(バンガロー)に適した環礁です。
※タハア島もボラボラ島と同じ堡礁(ほしょう)
タヒチ島やモーレア島は裾礁(きょしょう)と呼ばれ、島の周囲にサンゴ礁があるタイプ(ハワイや沖縄も同じタイプ)
世界で2番目に大きな環礁と言われているランギロア島やティケハウ島は環礁(かんしょう)タイプのサンゴ礁で、ネックレスの様にリーフ(陸地)が僅かに残されている島です。
(ボラボラ島全景)
ボラボラ島やモーレア島などでは、スーパーや土産店、ローカルレストランもあるので、サイクリングをしながらランチなども楽しめますし、山もあるので軽登山や4WDツアーなどのランド(陸)オプションや、勿論タヒチ定番のモツピクニックツアーや種類豊富なマリンスポーツも、滞在ホテル問わずどのホテルからも参加できます。
タヒチのオプショナルツアーやエステなども、事前申し込みも可能なため、滞在スケジュールなども予定を立てやすいと思います。
(タヒチの4WDツアーとエステ)
水上バガロー発祥の地と言われているタヒチのお部屋は、部屋に居ながらラグーンフュッシュの姿を見れる「ガラス床」や、魚に餌をあげる事もできる開閉式の「ガラステーブル」があったり、「カヌーで運んでくれる朝食」を楽しめる広々としたテラスなど、水上バンガロー(ヴィラ)のパイオニアとして、滞在するに相応しい使い勝手を考慮した造りになっています。
部屋の間隔も適度に距離をとって建てられており、テラスの向きもランダムに変化を付けるなどプライバシーを重視し工夫がされています。
部屋は広すぎず狭すぎずの丁度良いスペースのタヒチの水上ヴィラ(バンガロー)では、朝目覚めベッドに居ながら美しいブルーラグーンをご覧いただけるようデザインされていたり、モーニングコールの代わりにモーニングカフェをお届けするビバレッジサービスがあったりと、滞在してこそ解るロマンティックな演出やおもてなしがタヒチにはあります。
(タヒチのタヒチアンダンスショー・ビーチでのプライベートディナー)
ディナーもホテル以外のローカルレストラン利用も可能ですが、ホテル内でもレストランでアラカルト利用やポリネシアンダンスショー&ブッフェやルームサービス、プライベートディナーなど、多種多様な楽しみ方が可能です。
(タヒチのローカルショップ)
治安の良いタヒチでは、島内のレストランやお店でも、騙されてる?危ない?等と考えること無く、頭を空っぽにして存分に楽しんで頂けることも楽園タヒチと呼ばれる由来の1つです。
<モルディブ>
ホテル毎に小さな島にあり、陸地は僅かで山は無し、その小島の周囲にある環礁がハウスリーフと呼ばれ、1島1リゾートが特徴です。
モルディブのサンゴ礁は、裾礁(きょしょう)と呼ばれる島の周囲にサンゴ礁があるタイプと環礁(かんしょう)と呼ばれるドーナツ状のリーフがだけが残されているタイプの2つに分けられ、幾つもの裾礁と環礁の小さな島々の集合体をエリア毎に分けて、北マーレ環礁、南マーレ環礁、アリ環礁などと呼ばれています。
1つ1つの島が非常に小さく、島の周囲にあるラグーンも大きくは無いので(よってハウスリーフと呼ぶ)ラグーンのすぐ先が外洋になっているお部屋も多く、パス(サンゴ礁の切れ目。ラグーンと外洋の海水が行き来する場所)も多数あり、流れがきつい場所が多く見受けられるので、泳ぎが苦手な方などは外洋に流されないよう十分な注意(戻れなくなります)が必要です。
外洋が近いお部屋では、潮の満ち引きの影響も大きく水位も違ってくる為、水上ビラ(コテージ)が高めに設計されているのもモルディブの特徴です。
特に天候が荒れる雨季などは、台風が直撃したかのような嵐に見回られることも少なくなく、その時には外洋と同じように小さいラグーンのハウスリーフも大きな影響を受け荒れるため、部屋への浸水を防げるよう水上ビラ(コテージ)が高めに設計されているのだと思われます。
(モルディブのホテル全景イメージ)
ホテルは毎年新たに建設され、お部屋も100平米がスタンダード、更に広い200平米を越える部屋も誕生しています。
ハウスリーフでシュノーケリング、お部屋でのんびり過ごすことをひたすら楽しむモルディブでは、カタマランネットやプール付きの部屋は珍しくなく、スライダー付、ゆりかご付の部屋など、ホテル内で過ごすのに飽きることのないようなお部屋が多く誕生しています。
ホテルは中国資本が入ってからの、この10年ですごく贅沢な造りになりましたので、ハード面(部屋の広さやプール付きやスライダー付の設備、水中レストランなど)は、モルディブの方が勝ってきています。
(モルディブのホテルイメージ)
食事もホテル以外の選択肢が無いモルディブでは、オールインクルーシブプランにしてもアラカルトにしても毎日3食共ともホテル内の利用になるので、選ぶより提供されることを好む日本人にはオールインクルーシブプランが良いのかも知れませんが、モルディブでも新たなホテルやラグジュアリークラスのホテルではオールインクルーシブプランは別料金設定になりつつあります。
のんびりするリゾート滞在は、そんなにお腹がすく事も無いので無理して食べる事にもなりますし、レストランで過ごす時間の方が多くなってしまう事などを考えると、不効率かもしれません。
そして「ワンアイランド・ワンリゾート」は、聞こえは良いですが、ホテルに着いたらチェックアウトまでどこにも行けません。
従って、モルディブのホテルでは(タヒチでは有り得ませんが・・)ビーチやプールなどは人が多く、アジアビーチ同様に朝食時に場所取り行動も多く見受けられます。
食事に飽きたり好みで無くともホテル内のレストランしか利用できず、限られた幾つかのマリンアクティビティーのみの為、過ごし方や食事は選択肢が少なく、合わなかったりすると缶詰状態の滞在はキツイかも知れません。
オプショナルツアーもホテルによって異なるので出来ないホテルがあったり、料金も分からず事前予約もできない事もタヒチとは異なります。
【まとめ】
・ローカルレストラン、ダンスショー、オプショナルツアーなど種類が多く、楽しみ方を選べるのはタヒチ。
・モルディブは、ホテル内だけで楽しむ事が基本になるので、ビーチやプールも人が多い。
・モルディブは退屈しない事も目的とした、充実させた設備が部屋にあり部屋も広い。
・タヒチでは、部屋と部屋の距離も確保されており、プライバシーに重んじた造りになっている。
・タヒチのラグーンは大きいが、モルディブはハウスリーフは小さく外海が直ぐのため、外洋の影響を受け易い。
・ワンアイランドワンリゾートゆえ、荒天時は島全体が大きな影響を受けてしまい、逃げ場も無し。